読者です 読者をやめる 読者になる 読者になる

電脳@個室

情報科学を学ぶ大学生。のはずが今はなぜか脱線し図書館にこもっている

「基礎情報学」読んだ

いわゆる情報学の専門家による著作。

西垣さんの本はいくつか読んだことがあるが、基礎情報学は彼の著作の中でも主著っぽい雰囲気が出ているので今回読むことにした。

 

結論から言うといろいろガッカリした。

西垣氏は本書の冒頭部分で情報科学が「情報の意味」をあえて考えないようにしてきたことを批判する。同時に、浅薄な未来社会論なども批判し、情報の意味作用に着目したモデルを組み立てることを宣言する。その議論のために導入される知的ツールマトゥラーナオートポイエーシスルーマンの社会システム理論なのだが、この道具立てが僕にはおおげさに感じられたわけだ。

第三章では、著者がこれらのツールによってマスメディアを分析する部分があるのだが、それほど難解でもないような現象をたいそうなツールで分析されてもなーと。そういうのって、モデルの有効性よりもむしろモデルの陳腐さを明確にしてしまうんではないの?

あとマトゥラーナルーマンのおかしさと比べると西垣さんという人は優等生的というか、彼のモデルはシンプルにまとまり過ぎてないか。記述も平坦だし。

と、まぁこんな感じで不満がありまくりなのだが、なんせ10年以上も前の本である。それを考慮して批判せねば、そう思うのだが、どうしてもダメなところばかりが目についた。そんな本でした。